血管外科領域の主な疾患情報、手術


下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは?

足の静脈が太くなって浮き出て見えるようになった状態です。

Q     静脈瘤のできやすい人は?

女性:男性に比べ、発生頻度が高くなります。

遺伝:血縁者に静脈瘤のある人におこりやすくなります。

妊娠:妊娠、分娩後に静脈瘤ができる人が多く、 2番目以後の妊娠にできる場合が多く見られます。

立ち仕事:長時間立ち仕事を行う人に多く、 症状の増悪が認められます。

年齢:年齢が高くなるほど静脈瘤の発生頻度は高くなります。

Q   症状は?

さまざまな症状が出現します。(疼痛、かゆみ、重だるさ、浮腫、灼熱感、筋痙攣、色素沈着、皮膚硬化、しっしん、潰瘍 など)

Q 原因は?

表在静脈の壁や静脈の弁不全によるものが多いです。(一次性静脈瘤)

下肢でお話しすると、足から心臓に向けて流れるべき血液は正常な静脈弁であれば一方通行になっていますが、弁が壊れると逆流するようになり、足に多くの血液が貯留することになります。

深部静脈血栓などによる二次性静脈瘤もあります。

正常な動きの静脈弁の超音波画像

血液透析関連

血液透析では血液を一旦体外に出して透析器で血液をろ過して体に戻します。そのためには血液を体外に効率的に導き出すための手術が必要になります。

まず第一選択として、

利き手と反対側の前腕で動脈と静脈をつなぎ合わす内シャント作成術という手術が行われます。

動脈や静脈の位置関係や性状(血管の具合)によってはこれが難しい場合があり、場所を変更したり、人工血管を使用しての手術となることがあります。

また、長く血液透析を行っていると血管が閉塞したり、狭窄することがあります。

血管が狭窄してしまった場合には、狭窄部をバルーンで拡張する PTA(経皮的血管形成術、経皮的シャント拡張術)という方法で血管を広げる手術を行います。

内シャント造設術

PTA(経皮的血管形成術、経皮的シャント拡張術)

この手術は局所麻酔で行われ、注射針を皮膚に刺して、バルーンを血管の中に入れたあと広げて手術を行います。手順①血管を造影剤で造影して狭窄部を確認します。手順②場所を変えながら数回バルーンで狭窄部を拡張します。手順③狭窄が解消されたことを確認します。